【放課後印刷教室2】紙の上で時間を表現、プロが使う「台本」のパーツについて
2017/02/17
前回は、「台本」の本質とは「劇中に起こる事象が、時系列順に記録されていること」だとご紹介しました。監督や脚本家の頭の中にだけしかない場面構成や演出を、製作に携わるキャスト、スタッフが共有するための「一次資料」としての役割が最も大きいわけです。そのため「台本」には、イラストや写真を使用しない「文字と線」のみで、前述したような要素を満たす必要があります。文字の羅列では、読みづらく、また書く側にも、一本の小説を書くくらいの労力が必要とされてしまいます。どうすれば「文字と線」しか使わずに、視覚的に読みやすく感覚的にわかりやすい紙面になるでしょう。「台本」は、先人たちが前述したような課題をクリアするため試行錯誤を重ねてきました。今日、プロの撮影現場で使われる「台本」の紙面では、一般の文章ではあまり使われないパーツや手法を使うことにより「劇中時間」を表現します。下の画像は、「台本」で使用されているパーツとその用語を簡単にまとめたものです。また、台本の書式として一般的には、「1ページが約1分」になるよう構成します。これらの約束事を使うことにより、「台本」は紙の上で時間を表現することができているわけです。