ドラマや舞台を作り上げる土台とは
多くの方が夢中になっている恋愛ドラマや映画、舞台といった作品には共通したあるものが土台となっています。それは台本です。人々の関心をひきつけ、見る人を魅了する作品には、物語を作り上げていく上で重要な役割を果たす良いシナリオが欠かせません。この土台がしっかり練り込まれていること、整合性の高いものであることが物語に厚みをもたせ作品をより上質なものへと変化させます。
ドラマや映画などの作品には無数の役割が存在します。物語を演じる役者はもちろんのこと、照明や衣装、美術といった裏方まで、その数をあげればきりがありません。どのような照明で演出するのか、衣装はどんなものがより最適かなど、一つひとつのシーンの肉付けを施していく裏方の作業の方向性を決定する際にもこのシナリオが大きな影響を与えます。そのような重大な部分を担う作業には、膨大な時間と高いスキルが必要となります。プロットとよばれる物語の構成やあらすじ、展開などが高い質であっても、このシナリオ次第でその評価は一変してしまうほどです。そこで登場するのがこれらを専門で制作するプロフェッショナルな会社です。自分たちの作品をより高品質なものへとし、人々をひきつけ集客率に直結させるためにも、台本を専門に制作する会社に依頼するケースも選択肢の1つだといえます。
作成に大切なものは何か
では最初に台本を作成する際に大切なことについて紹介します。シナリオを作るためにはしっかりとしたプロット構成が必要です。つまり、登場人物のキャラクター設定や物語の展開など、どのような方向性でもって作品をクライマックスへ導くのかなどの骨組みの基礎を固めることが基本となります。この基礎をもとに登場人物の性格や特徴、仕草といった細かい部分に色づけをしていきます。
人間性や真実味のあるキャラクター像は私たち観客をより自然に作品の世界へといざなってくれます。例えば恋愛ドラマであれば恋敵をどのような展開で登場させ扱っていくか、非現実的ではあるけれども、観客たちが心の中で思い描いている本当の意味での憧れを舞台上に展開していくことにより、ターゲットである観客をいかにひきつけるかなどの分析をしシナリオを練り上げていきます。
そして台本を作成する上では、ストーリー上描かれない部分についても演じやすさなどを考慮し、綿密に練り込むことが重要となります。特にセリフとセリフの間はどんなジャンルの舞台においても大きな影響を与えます。このほんの少しの間が、観客の想像力をかき立て物語にさらに入り込むツールにもなるとともに、セリフには表現しきれない世界観をより深いものへとするなど、ステージ上でもたらす効果は計り知れません。
このように、台本のもつ影響力や作成に費やす時間などを考慮し、最近ではシナリオ作りのスペシャリストに依頼するケースが増加傾向にあります。
台本の基本構成と種類
台本の多くは前付け、扉、本文、後付けの4部構成になっています。前付け部分のアタマには脚本家やプロデューサーの名前、スポンサーなどが印刷されます。この他にも制作に関わるスタッフの名前や登場人物の役名や年齢などを明記した人物表が加えられます。そしてドラマでは話の変わり目、舞台では幕ごとに扉という仕切りがあり、セリフや進行内容を明記した本文へと続きます。最後には稽古日程やメモといった付随情報が印刷されたものが加えられ、これを後付けとよびます。
では実際に作成を依頼する場合、どのような種類から選択可能なのでしょうか。ここでは3種類を例に紹介します。1つ目は、お客様がシナリオ用に作成した印刷用データをそのまま本にする形式です。これのメリットといえば何といっても低価格であることです。
2つ目はシンプルなものとは違い、お客様がワードで作ったデータを台本の形式にレイアウトするものです。これは台本の書式がわからないという方に特におすすめの形式です。また、本文の材質にはプロの撮影現場で使用されているものと同じものを使用したり、前付けや扉の色を選択できたりすることもあります。満足度の高い仕上がりを希望する場合にはこのようなカスタマイズできるものがよいでしょう。
最後に紹介するのが手書き原稿での入稿が可能で、校正までを依頼内容に含み表紙のパターン等も複数から選択できるなど幅広い要望に応えることが可能なカスタムメードタイプの台本です。価格面からするとシンプルなものよりも高くはなりますが、その仕上がりは高品質で台本の完成版を手にすることができる最上級の形式です。
毎日の稽古や収録、セリフ覚えなど関係者たちが台本を手に取る時間は膨大です。そのため表紙にはこだわりをもっている方も多いといえます。恋愛ドラマであればそのイメージから選ぶ方、毎日手にするものだからと耐久性に優れた素材を選ぶ方、選択基準は各々ですが、納得のいくもの、それを手に取ると自然にテンションの上がるような仕上がりであることが重要だといえるのではないでしょうか。