文化祭の演劇の台本作り
学生にとって文化祭は、学校生活において特別なイベントの一つです。演劇をするクラスもあり、体育館のステージや特設ステージで披露します。文化祭には同じ学校の生徒や先生、他校の生徒、親御さんが見に来ますが、どんな台本なら盛り上げられるか悩むところです。
台本作りはテーマ決めから始め、物語の内容を細かく決めていきます。演劇のテーマは既存の作品を使用する場合が多く、ミュージカルや映画、小説から選ぶことが多いです。台本のある作品はそのまま文化祭の演劇に使用できますが、なければ物語の流れに合わせて台本を作る必要があります。また映画や小説のストーリーにアレンジを加えて台本を作る方法もあります。登場人物の名前や時代をかえるだけであれば簡単です。文化祭の台本は既存の物語を基に作成すれば手軽ですが、皆で一から作成したいというクラスもあるのではないでしょうか。すべてオリジナルの演劇は、台本の物語や脚本を作る必要があるので準備に時間がかかります。
文化祭で演劇をする際は、クラス一丸となって舞台を作ることが大切です。演劇に出る俳優や裏方のスタッフは足並みを揃えつつ、自分の役割をこなす必要があります。裏方スタッフには衣装や美術、照明などがいます。また、俳優を担当している人の中には、緊張して上手く演技ができないと感じる人もいます。演劇部に所属している人でなければ人前で演技をするのは慣れていません。緊張感を緩和するには、衣装や舞台の大道具や小道具に力を入れると良いです。装飾品が本格的だと雰囲気が出て、演技に集中しやすくなるからです。
文化祭の演劇で人気のある台本
文化祭の演劇の台本は、すでにある物語を基に作ると簡単ですが、どんな話を選べば良いか悩むところです。当日は学生や先生、親御さんを前に披露するので、皆が楽しめる話を選びたいと考えるクラスも多いです。学生でも行いやすい演劇は、物語が簡潔でわかりやすく、キャラクター設定がハッキリしたもので、見ている人に伝わりやすい話のものがおすすめです。また定番の童話だとすでに衣装が販売されているので、一から衣装作りをしなくていい点もメリットです。
学生に人気の物語や脚本は、童話や学園もの、ミュージカルです。中でも子どもでも知っている童話や昔話は物語がわかりやすいです。学園ものの物語は、海外の映画やドラマをベースに作られることが多く、歌やダンスのあるストーリーも盛り上がるため人気があります。また今流行りの青春ドラマを基に劇を作る場合は、同世代からの高い評判が望めます。ミュージカルを演劇で披露するクラスの場合、定番のミュージカルなら親御さんの世代でも知っているので、幅広い層の受けを狙いやすいでしょう。
さらに、お茶の間で人気のアニメを基にした演劇も、老若男女問わず楽しみやすいです。演劇といえば映画やミュージカル、小説の話を基に舞台を作るイメージがありますが、芸人のコントやネタを披露しても良いです。芸人のコントでも物語調のものが文化祭では人気です。どんな内容で演劇を作るかは、クラスで話あって決めることによって、クラスメイトの親睦も深められます。
文化祭で10分、30分の寸劇をする時の台本
文化祭は複数のクラスが舞台を使用するため、出演時間が限られ、10分から30分程度の寸劇を考える学生たちも多いです。寸劇の寸は長さを表す単位で、一寸は約3cmと短いです。つまり寸劇とは時間の短い劇のことなのです。芸人のコントは寸劇にあたり、即興的に行う劇を寸劇と呼ぶ場合もあります。
短い上演時間の劇でも起承転結は大切です。起承転結のある話は、観客の心をつかみ作品のテーマを伝える効果が望めます。起は主人公の性格や環境を紹介し、どんな話か説明する部分です。承は物語に異変が起き、展開が変わることが多いです。転ではさらに物語が急展開し見どころの部分となります。そしてラストの結は、転で起こった急展開による結果を表します。
また三幕構成で劇を作る方法もあり、映画やミュージカル、ドラマでも使用されています。企業のプレゼンテーションやCM、笑い話を相手に伝える際も三幕構成が活用されているのです。三幕構成は第一、第二、第三幕から成り立ち、一幕目は起承転結の起にあたります。二幕目は物語が展開する起承転結の承と転、三幕目はラストをしめくくる結にあたります。
寸劇は短時間で観客を楽しませる必要があり、演劇を面白くするには緊張と緩和を上手く使用するのが効果的です。具体的には緊張感のある告白シーンでボケをするなどです。また観客を共感させることも大切です。
劇は上演時間が短くても台本作りの基本は同じです。文化祭当日に多くの観客を楽しませられるよう、テーマや内容を工夫することによって、より面白い演劇を作ます。クラスの皆で一つの作品を作ることによって、卒業しても大切な思い出となるでしょう。
